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ララァ・スンの名言として残る言葉には、いつもアムロとシャアの二人の影があります。
シャアのゲルググが追い詰められる戦いでは頭の重さとシャアをかばう怒りが、エルメスとガンダムの戦いではアムロと意識の中で出会ってからの揺れが、それぞれ言葉になりました。
倒さねばならない相手に、なぜ今になって現れたのかと問いかけてしまうところに、ニュータイプ同士が出会ってしまった悲しさが詰まっています。
二つの戦いで出た言葉と、最期の場面で時が見えると告げた一言。この7つのセリフを場面と前後の言葉に沿って読むと、ララァの心がシャアからアムロへ揺れていく流れが見えてきます。
なお、セリフの表記は資料によって句読点や漢字が少しずつ違い、一字一句まで同じとは限りません。
ララァ・スンの名言・セリフ一覧
シャアのために戦う覚悟と、アムロへ傾いていく心。その両方が、シャアのゲルググが追い詰められる戦いと、エルメスとガンダムの戦いという二つの場面で言葉になってあふれ出ます。
あなたの来るのが遅すぎたのよ
ガンダムとエルメスが戦う中、ララァとアムロが意識の中で出会う場面のセリフです。直前にララァは、アムロを倒さなければシャアが死ぬ、という覚悟を示していました。
倒すべき相手として向き合ったはずのアムロに、ララァが向けたのがこの一言でした。責める言葉ではなく、出会う順番が違っていればという嘆きに近い響きがあります。
このあとに続く言葉は「なぜ、なぜ今になって現れたの?」。
遅すぎた、という言い方には、もし先に出会っていたらという仮定がそのまま含まれています。シャアのそばにいる今を否定しないまま、別の道があったことだけは認めてしまう――私はその矛盾こそ、この一言が名言として残る理由だと考えています。
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なぜ、なぜ今になって現れたの?

アムロへの問いかけは、「あなたの来るのが遅すぎたのよ」のすぐあとに続きました。倒さねばならない相手を前にして、ララァは、なぜ今なのかを問わずにいられなかったように思えます。
本心ではアムロに傾いているかのような、未練のにじむ言葉だと受け止める見方もあります。
問いの形をとっていても、答えを求めているわけではありません。理由を聞いたところで、シャアの側に立つ今の状況は何も変わらないからです。
直後には「なぜ、なぜなの?なぜあなたはこうも戦えるの?」と、問いがさらに深まりました。なぜを二度重ねる言い回しには戦いの最中とは思えない揺れが出ていて、パイロットではなく迷っている一人の人間に戻った瞬間のように私には映ります。
※資料によって「なぜ今になって現れたの?」と書くものもあります。
悪い人だ!シャアをいじめる悪い人だ!
エルメスとガンダムの戦いより前、マグネットコーティングで強化されたガンダムがシャアのゲルググを追い詰めていく場面の言葉です。その激闘の最中、アムロの頭の中にララァの言葉が流れ込んできました。
「悪い人だ!」と「シャアをいじめる悪い人だ!」は、ひと続きの言葉ではありません。最初の「悪い人だ!」のあとにアムロの返答が入り、それを受けて「シャアをいじめる悪い人だ!」が続く流れです。
直前には「あ、頭が押さえつけられるように重いの、です」という苦しげな言葉があり、シャアの言葉をはさんで調子が一転しました。善悪を語る言葉としてはあまりに単純で、子どもが大切な人をかばうような言い方です。
最初の一言は悪い人だと言い切るだけで、理由は付いていません。アムロの返答を受けてから、シャアをいじめるからだと理由が足されるところに、ララァにとっての善悪の基準がシャアにあることがよく出ています。
そこにあるのは戦況の判断ではなく、シャアが傷つけられることへのまっすぐな拒絶でした。ララァの純粋な心が、かえってアムロを苦しめる場面として語られています。
もしここでララァがアムロを冷静に敵と呼んでいたら、アムロはもっと迷わず戦えたのかもしれません。悪意を持たない言葉だからこそ、受け取った側は撃ち返す理由を見つけにくいのです。
※資料によって二言目を「シャアをいじめる悪い人だ」と書くものもあります。
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あ、頭が押さえつけられるように重いの、です
ガンダムがシャアのゲルググを追い詰める激闘の中で、「悪い人だ!」より先に出たのがこの言葉でした。頭痛の原因は、ニュータイプの力が強すぎてアムロと共鳴したせいとも、サイコミュの負担とも読めて、はっきりしていません。
この頭の重さの原因がアムロにあることを、シャアは見抜いていたとも語られています。苦しさを訴えながらも、丁寧な言葉づかいが崩れていないところに、ララァらしさが残っています。
そのシャアの言葉をはさんで、次に来るのは「悪い人だ!」。
弱音と怒りが続けて出てくるこの流れを見ると、ララァの中ではシャアを守ることと自分の苦しさが切り離せていないように感じます。頭が重いと訴えたばかりなのに、やがて怒りの理由として挙がるのは自分の痛みではなくシャアのこと。そこに、ララァの心の置き場所がよく表れています。
ああ、アムロ、時が見える・・・

ララァの最期の場面に置かれた言葉です。分かり合えたのだから信じる、とアムロが応じたあとに、この一言が続きました。
同じエルメスとガンダムの戦いでアムロに問いを重ねてきたララァは、最期の場面でアムロの名を呼び、見えているものを伝えようとしました。
時が見える、という言い方は、具体的に何が見えているのかを説明していません。説明がないからこそ、読み返すたびに受け取り方が変わる言葉になっているのだと思います。
命が終わろうとする場面で、ララァが向けたのは問いでも拒絶でもありませんでした。ほかの言葉がシャアを守るための覚悟やアムロへの問いだったのに対し、この一言は誰も責めず、何も問わない点に、二人の関係が別の場所へ届いたことがにじんでいます。
最期の場面だと知ってから読み返すと、遅すぎた、なぜ今になって、と重ねてきた問いへの答えが、言葉にならないままここで示されたようにも見えてきます。
※資料によって「ああ、アムロ、刻(時)が見える‥」「ああ、アムロ、刻が見える‥」と書くものもあります。
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そのあなたの力が示している。あなたを倒さねばシャアが死ぬ!
アムロと意識の中で向き合う場面では、「あなたの来るのが遅すぎたのよ」の手前にこの言葉がありました。あなたの力そのものが示している、という言い方で、ララァは戦う理由を自分の感情ではなく状況の側に置いています。
シャアを守るためなら相手を倒すしかない、という覚悟がもっとも硬い形で出た言葉です。ところが、アムロの返答をはさんで続くのは「あなたの来るのが遅すぎたのよ」。
倒すと言い切ったあとに嘆きがこぼれる落差を知ると、このセリフの強さは、迷いを押さえ込むための強さだったようにも見えてきます。もし言い切ったまま戦い続けていたら、ララァはもっと分かりやすい敵として記憶されていたでしょう。
なぜ、なぜなの?なぜあなたはこうも戦えるの?あなたには守るべき人も守るべきものもないというのに
意識の中でアムロと向き合う場面で、「なぜ、なぜ今になって現れたの?」のあとに続く問いかけです。このあとには、アムロの返答をはさんで「私には見える。あなたの中には、家族もふるさともないというのに」という言葉が続きました。
守るべきものがあるから戦える、という考えをララァが当然のように持っていたことが、この問いから読み取れます。シャアという守るべき人がいるララァの目には、アムロが何も背負わないまま戦っているように映り、それが理解できなかったように思えます。
アムロに本当に守るものが無かったのかどうかは、この言葉からは分かりません。語られているのは、ララァの目にアムロがどう映っていたかです。
ただ、この問いは責めるよりも、分からなくて尋ねている声に近く聞こえました。家族もふるさともない、と続く言葉と並べると、ララァは自分に見えたアムロの中の空白に、引き寄せられているようにも読めます。
※資料によって「なぜ、あなたはこうも戦えるの?あなたには守るべき人も守るべきものもないというのに」「あなたには守るべき人も、守るべきものもないというのに…」「なぜ…なぜなの? なぜあなたはこうも戦えるの?」と書くものもあります。
| 場面 | セリフ | 前後の流れ |
|---|---|---|
| シャアのゲルググが追い詰められる戦い | あ、頭が押さえつけられるように重いの、です | このあとシャアの言葉をはさんで「悪い人だ!」へ続く |
| シャアのゲルググが追い詰められる戦い | 悪い人だ!シャアをいじめる悪い人だ! | 「悪い人だ!」のあとにアムロの返答が入り、二言目が続く |
| エルメスとガンダムの戦い(意識の中でアムロと出会う) | そのあなたの力が示している。あなたを倒さねばシャアが死ぬ! | アムロの返答をはさんで「あなたの来るのが遅すぎたのよ」へ続く |
| エルメスとガンダムの戦い(意識の中でアムロと出会う) | あなたの来るのが遅すぎたのよ | このあと「なぜ、なぜ今になって現れたの?」へ続く |
| エルメスとガンダムの戦い(意識の中でアムロと出会う) | なぜ、なぜ今になって現れたの? | このあと「なぜ、なぜなの?なぜあなたはこうも戦えるの?」と問いが深まる |
| エルメスとガンダムの戦い(意識の中でアムロと出会う) | なぜ、なぜなの?なぜあなたはこうも戦えるの?あなたには守るべき人も守るべきものもないというのに | アムロの返答をはさんで「私には見える。あなたの中には、家族もふるさともないというのに」へ続く |
| 最期の場面 | ああ、アムロ、時が見える・・・ | 分かり合えたのだから信じる、とアムロが応じたあとに続く |
ララァ・スンの名言・セリフまとめ
ララァ・スンの名言をたどると、言葉のほとんどがシャアとアムロのどちらかへ向かっていることに気づきます。
先に来るのは、シャアのゲルググが追い詰められる戦いの言葉でした。頭の重さを訴える弱音のあと、シャアの言葉をはさんで「悪い人だ!」、さらにアムロの返答を受けて、シャアをいじめるからだと理由が足されていきます。
エルメスとガンダムの戦いでは、アムロと意識の中で出会ったララァが、倒さねばならないという覚悟のあとに、遅すぎた出会いへの嘆きと、なぜ戦えるのかという問いを重ねました。覚悟を示した直後ほど迷いがこぼれる、その揺れこそがララァの言葉が今も名言として読まれる理由だと思います。
守るべき人がいるから戦える自分と、ララァの目には何も背負わずに戦えるように映ったアムロ。ララァはその違いの前で立ち止まり、最期の場面では、時が見えるという言葉でアムロの名を呼びました。
一つひとつのセリフは短くても、並べて読むと、シャアの側にいながらアムロに引き寄せられていく一人のニュータイプの心の動きが浮かび上がります。どの一言も、前後の言葉と一緒に読んではじめて、本当の重さが伝わってきます。
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