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「殺されたから殺して、殺したから殺されて、それでほんとに最後は平和になるのかよ!」。カガリ・ユラ・アスハの言葉でまず挙がるのは、殺し合いが続くことへのこの問いです。
同じ人なのに、指輪の渡し方については言葉になりきらない声しか出てきません。
お父様という呼び名が入った強い言葉、ユウナへ怒りながら自分の落ち度まで並べた長いセリフ、誰かに託して祈るだけの短い一言。機動戦士ガンダムSEEDとSEED DESTINYのカガリの言葉は、向き合う相手によって張りがまるで違います。
同じセリフでも、句読点や漢字の書き方は資料によって少しずつ違います。どの場面で出た言葉なのかが書かれていないものも少なくありません。
それでも言葉そのものを読むと、相手との距離の近さはどの一言にも出ています。
カガリ・ユラ・アスハの名言・セリフ
殺し合いそのものに返した問い、父をめぐって揺れる言葉、そして言葉になりきらない照れ。どれも感情が高まったところで、相手に向かって出ています。
ぁぁ…。ぅ…ぉ…おま…いや…あの…こういう指輪の渡し方ってないんじゃないか!?
文の形になっているのは後半だけで、前半は声になりきらない音のままです。
中身は指輪の渡し方への文句。それなのに、読み終えて残るのは照れでした。
キラの双子の姉で、しっかり者で気が強い。そう紹介される人が、些細なことでは言葉を失っています。立派なことを何ひとつ言っていないのに名言として拾われ続けているのは、この落差があるからだと思います。
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殺されたから殺して、殺したから殺されて、それでほんとに最後は平和になるのかよ!ええ!うっぅぅ……

どちらが悪いかを問うのではなく、殺し合いが続く理屈そのものをなぞった言葉でした。
誰に向けて言われたのかまでは、資料に書かれていません。
それでも、問いの形ははっきり残っています。殺した側にも殺された側にも理由があったことを前提にしたまま、それで最後は平和になるのかと聞いています。
語尾が崩れて声にならなくなるところまで含めると、答えを求めた問いには見えません。
論破のためではなく、行き場のない疑問として出た言葉だと受け取りました。
キラだって守りたいものの為に戦っただけだ!なのになんで殺されなきゃならない!それも友達のお前に!
キラも守りたいもののために戦っていた。その一点だけを置いて、なぜ殺されなければならないのかと問う言葉です。
そこに重ねられるのが、殺したのが友達だったという一言。このときカガリは、キラが友達の手で殺されたと信じていました。
戦う理由はどちらにもあったのに、片方だけが友達の手で奪われた。そう受け止めていた時点の言葉なので飾りがなく、読む側にも逃げ場がありません。
怒りの中身が、相手の罪ではなくキラの側の理由で埋まっているところが、この言葉の形だと思いました。
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駄目だ!お前!逃げるな!生きる方が戦いだ!
自分が死ぬことで責任を果たそうとしたアスランを引き止めた言葉だと、資料では説明されています。
否定されているのは、償うこと自体ではありません。
果たす向きを、死ぬ側から生きる側へ引っ張り直しただけ。相手の筋を残したまま、結論だけを裏返しています。
言い負かす形ではないので、説得としては乱暴です。そのぶん、よく効きます。
だが! 強すぎる力は、また争いを呼ぶ!
逆接の「だが!」から始まる一言。何に対して返した言葉なのかまでは、はっきりしていません。
言っているのは、力が強すぎればそれ自体が次の争いを呼ぶということ。力を持つな、という話ではありません。
「造ったオーブが悪いってことは分かってる!」と並べると、作った側の責任を認めたうえで、その力がどこへ向かうかを止めようとする姿勢が重なって見えます。
禁じるのではなく程度で線を引いた言い方で、力を持つ側にいる人だからこそ出てくる警戒だと思いました。
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ああ……やっぱり…!! 地球軍の新型機動兵器……お父様の裏切り者!!
ヘリオポリスで極秘に開発されていた、地球軍の新型機動兵器。その姿を見つけたときのセリフとして、資料に載っています。
資料によっては、「やっぱり…地球軍の新型機動兵器…」と、そのあとに続くお父様への一言を、別々の言葉として区切っていました。驚きと怒りが、ひと息にではなく二度に分かれて出てきたようにも読めます。
驚きより先にこもっているのは、前から抱いていた疑いが当たってしまったという響き。やっぱりという一語に、それが詰まっています。
怒りの理由として資料が挙げているのは、国是を掲げながら、実際には他国の戦争に協力していたオーブの二枚舌でした。まっすぐな性格のカガリには、それが許せなかったのだろうという説明です。
ただ後になって、この件はオーブ政府の閣僚の一人が大西洋連邦の圧力に屈して行った独断だったと判明しました。ウズミ自身は、この件を一切知らなかったとされています。
お父様という呼びかけと裏切り者という語が並んでいても、怒りが最終的に誰へ向いていたのかまでは、このセリフだけでは決められません。疑っていたことが目の前で形になった衝撃が、いちばん身近な呼び名と一緒に噴き出した言葉だと、私は読みました。
※口に出した言葉だったのかどうかは、はっきりしていません。
でも……お父様のことをあんな風に……お父様だって苦しみながらお決めになったことなのに…それを…
父のやり方を否定されたあとの言葉で、アスランの前で泣いていた場面だと資料は書いています。
ここでカガリは、父の決断が正しかったとは言っていません。
持ち出しているのは、決めるまでにどれだけ苦しんだかという一点だけ。正しさで言い返せないところから出た言葉です。
お父様という呼び名は、新型兵器を見つけたときの言葉にも出てきます。
あちらは、ウズミが一切知らなかったとされる件をめぐって出た強い言葉。こちらは、ウズミのやり方を否定されたあとに出た、父をかばう言葉でした。
同じ呼び名が、強い言葉にもかばう言葉にも出てくるところに、私は父との距離の近さを感じました。
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小説版でカガリ・ユラ・アスハが残した名言
一方は、相手を責めながら自分の落ち度まで並べた長いセリフ。もう一方は、託して祈るだけの短い言葉です。
お前だけを悪いとは言わない…。ウナトやお前…首長たちと意見を交わし、己の任を全うできなかった私も十分に悪い…!だがこれは何だ!?意見は違っても、国を思う気持ちは同じだと思っていたのに!
ユウナに向けた言葉でした。責める前に置かれているのは、自分の側の落ち度です。
首長たちと意見を交わし、己の任を全うできなかった。その自己評価を先に言ってから、怒りが出てきます。
崩れたのは、意見が違っても国を思う気持ちは同じだという前提。だからこの言葉は長いのだと思いました。
怒りの矛先が、相手と自分の両方に同時に向いている。ほかの言葉と比べて、ここだけ形が違います。
この一連は、オーブの代表首長としてのカガリの在り方を変えた転機として扱われてもいます。
他人の裏切りを責める言葉として読むと、この長さは半分しか説明できません。
※末尾を「お前だけを悪いとは言わない…ウナトやお前…首長たちと意見を交わし、己の任を全うできなかった私も十分に悪い…!だがこれは何だ!?意見は違っても国を守る気持ちだけは同じと思っていたのに…!」と書く資料もあります。
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あいつ、頼むな。私は一緒に行けないから。無事を祈る。
短い三つの文が、頼むこと、行けないこと、祈ることに分かれています。
誰に向けた言葉なのか、どの場面なのかまでは、資料に書かれていません。
それでも、自分は行けないと認めたうえで、託せる相手がいるという形までは読み取れます。
ほかの言葉はどれも、相手へまっすぐぶつける形でした。
ここだけは、何かを求める言葉ではありません。自分が持っていたものを人に渡す言葉になっています。
いちばん短いのに、いちばん諦めが要る言葉だと思います。
| セリフ | 発話の形 | 補足 |
|---|---|---|
| 「こういう指輪の渡し方ってないんじゃないか!?」 | 口に出した言葉 | |
| 「殺されたから殺して、殺したから殺されて」 | 口に出した言葉 | |
| 「キラだって守りたいものの為に戦っただけだ!なのになんで殺されなきゃならない!それも友達のお前に!」 | はっきりしていない | |
| 「逃げるな!生きる方が戦いだ!」 | 口に出した言葉 | |
| 「だが! 強すぎる力は、また争いを呼ぶ!」 | 口に出した言葉 | |
| 「やっぱり…地球軍の新型機動兵器…」 | はっきりしていない | 新型機動兵器を見つけたときのセリフ。資料によっては、このあとのお父様への一言と別々に区切って載せている |
| 「お父様だって、苦しみながらお決めになったことなのに…」 | はっきりしていない | |
| 「お前だけを悪いとは言わない」 | 口に出した言葉 | 小説版のセリフ |
| 「あいつ、頼むな。」 | 口に出した言葉 | 小説版のセリフ |
怒っていい場面で、カガリはなぜ自分の落ち度を先に並べたのか
いちばん引っかかったのは、ユウナへの長いセリフでした。責めていい場面なのに、カガリは先に、己の任を全うできなかった自分も十分に悪いと並べています。
強い言葉なら、ほかにもあります。新型兵器を見つけたときの言葉には、お父様という呼び名と裏切り者という語が並んでいました。
ところがその件は、後に閣僚の一人の独断だったと分かり、ウズミは一切知らなかったとされています。あの強い言葉は、全体が見えないうちに出ていたのではないか。私はそう読みました。
それと並べると、ユウナへのセリフは別人の言葉のようにも見えます。国を思う気持ちは同じだと信じていた相手に向かいながら、怒りの半分を、見抜けなかった自分の側に残しているからです。
相手を信じたこと自体が、国を危うくした。その苦さを知ったからこそ、相手だけを責める言い方にはできなかったのかもしれません。代表首長としての在り方を変えた転機とされる一連の変わり目が、私にはこの長さに出ているように見えました。
父のやり方を否定されたときも、カガリは正しさで言い返してはいませんでした。自ら死のうとしたアスランには、償う向きを生きる側へ引き戻す言葉を返しています。どれも、相手を言い負かすより、相手の重さを一緒に背負おうとする言い方に見えます。
読み終えて、少し苦しくなりました。怒っていい場面でも半分を自分で引き受ける人は、そのぶん一人で抱えるものが増えていくからです。
個人的には、カガリの強さは声の大きさより、責める言葉に自分を入れてしまうところにあると思います。託して祈るだけの短い一言も、その延長にあるように感じました。
調べ終えていちばん残ったのは、怒りの言葉に自分の落ち度を混ぜられる人の、まっすぐさでした。
カガリ・ユラ・アスハの名言・セリフまとめ
カガリ・ユラ・アスハの言葉は、どれも相手に正面からぶつかっていくものでした。
殺し合いに対しては、どちらが悪いかではなく、それで平和になるのかという問いを返しています。
キラを友達の手で失ったと信じていた時点では、アスランを責めながらも、戦う理由は双方にあったという一点を重ねました。
自ら死のうとした相手には、果たす向きを生きる側へ引き戻す言葉が出ています。
力については、持つことではなく、強すぎることに線を引きました。
父をめぐっては、新型兵器を見つけたときの強い言葉と、苦しみながら決めたのだと父をかばう言葉が残っています。前者の件は、後に閣僚の独断で、ウズミは知らなかったとされています。
ユウナへの長いセリフは、相手を責めるだけで終わりません。己の任を全うできなかったと先に置いてから怒る形で、代表首長としての転機として扱われています。
託して祈るだけの短い一言まで含めると、強さの出方は言葉ごとに違います。
場面や相手が資料に書かれていない言葉もありました。それでも、相手ごとに声の張りが変わっていたことは、言葉の形に残っています。
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