トレーズ・クシュリナーダの名言・セリフ一覧!「私は敗者になりたい」をはじめ場面順に言葉を紹介

新機動戦記ガンダムWのトレーズ・クシュリナーダ

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「私は敗者になりたい」。モビルドールを推し進める面々の前で自分から敗北を告げ、表舞台から降りたのがトレーズ・クシュリナーダです。

一方で、戦い続けて勝てばいいと言い切った言葉も、強者が世界を治めればいいと言った言葉も残っています。戦いを肯定する言い方と、人間を評価してほしいという願いが、同じ口から出てきます。

モビルドールの起動実験で自ら機体に乗り込んだ場面、敗北を宣言して去った場面、五飛の問いに数字で即答した場面で何を言ったのか。そして敗者という言葉を繰り返した理由が、ここで追えます。

セリフの表記は、資料によって句読点や漢字、数字の書き方が少しずつ違います。

物語序盤でトレーズ・クシュリナーダが残した名言

時代は我々が作る、という言い切りと、相手の顔色を読む穏やかな話し方が、同じ口から出てくるまとまりです。歴史という言葉も、ここから使われ始めます。

15年前このOZに私と君がいたら、こんな不手際にはならなかっただろうがな

起きてしまった不手際を、15年前に自分と相手がこの組織にいたら、という言い方でくるんだ一言です。

責めているのに、責め言葉になっていません。15年という長さを持ち出したことで、目の前の失敗が組織の古さの話に置き換わっています。

君と呼べる相手を、自分と同じ水準に置いていることも読み取れます。ただ、その相手が誰なのかまでは分かっていません。

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貴重な戦力? それは兵士に対してでしょうか?それとも、モビルスーツに対してですか?

トレーズ・クシュリナーダ 名言 関連画像

貴重な戦力という言い方に、それは兵士のことか、それともモビルスーツのことかと返した一言です。

聞き返しているだけなのに、相手が人間と機械を同じ言葉でまとめていたことが浮かび上がります。言い負かすのではなく、相手の言葉を点検するほうを選びました。

人と兵器を同じ単位で数える物言いに反応する癖は、のちにモビルドールへ向けた言葉と地続きです。

しょせん連合軍は平和に慣れ過ぎている。これからの時代は我々が作ろう 我が組織”OZ”が

連合軍を平和に慣れ過ぎていると切り捨て、これからの時代は自分たちが作ると宣言しました。組織の名前まで自分で言い添えています。

平和に慣れることを弱さとして扱う見方は、ほかの言葉にも出ています。「コロニーとは偽りの生活空間、偽りの平和主義 より多くの戦いを生む温床でしかないのかもしれない」。

平和を目的ではなく状態として見ているので、慣れたかどうかで評価できてしまう。そこがこの人の怖いところだと思います。

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行きたいかね?君の顔がそう語っているよ

相手がまだ口に出していない望みを、顔を見て先に言葉にしてしまう一言です。

許可を出す立場にありながら、頼まれる前に相手の希望を代わりに言ってしまう。命令ではなく、相手が自分で決めたことにしてしまう運び方になっています。

ああ、彼は優秀な人物だったからね えてしてそういう人間こそ、新しい時代の犠牲になるものだ

いなくなった誰かについて、優秀な人物だったからと答え、そういう人間こそ新しい時代の犠牲になると続けました。

惜しむ口ぶりのまま、犠牲が出ることを時代の性質として一般化してしまいました。優秀さが人を守る理由にならない世界の見方が、ひとこと目から出ています。

自分もいずれその理屈の側に入るのか、という見通しがこの言葉には混ざっているように読めます。

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5機ほど持っていきたまえ 我々が動くと、黒い影がついて回るようだからな

機体を5機渡すときの言葉で、自分たちが動くと黒い影がついて回るようだからと、理由を一言だけ添えました。

妨害してくる者を黒い影と呼び、数は即決する。渡すかどうかで迷う様子がありません。

機体の配り方については「優秀なパイロットに優秀な機体を与える 何か問題かね?」という言葉も残っています。

何、ゼクスにはいつも無理をさせている リリーナを助けたのは、彼に対するささやかな感謝の気持ちだよ

いつも無理をさせているから、という前置きを付けて、リリーナを助けた理由をゼクスへの感謝だと説明した言葉です。

恩を売らない言い方であり、同時に人の命を自分の都合で説明できてしまう言い方でもある。人ひとりの救助を、ささやかな気持ちの範囲に収めてしまうところが引っかかります。

ゼクスについては「ゼクスは私に迷惑をかけるような男ではないさ 皆心配しすぎなのだよ」という言葉も残っています。

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これで人々は迷うことなく歴史に身を委ねられる

何かが決まったあとに、これで人々は迷わず歴史に身を委ねられる、と言いました。

主語は人々で、自分はその中に入っていません。歴史を、人が身を預ける先として扱っているのが、この言い方の特徴です。

「私がそれを正すかどうか、それが歴史なのだ」という言葉と並べると、歴史の中ではなく歴史を動かす場所に自分を置いていたことが見えてきます。

さて歴史はどう動くかな

仕掛けた側であるはずなのに、歴史の動きを待つ観客のような短い一言でした。

「第2幕が始まった 忙しくなる」という言葉もあり、出来事を舞台として眺める言い方が繰り返されます。

短いまま残るのは、結果を知らないふりができる人の余裕がそのまま出ているからだと思います。

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戦い続けよう そして勝てばいい

戦いを続けて勝てばいい、という短い言い切りで、ここには迷いがありません。

同じ人が「私は敗者になりたい」とも言っていて、二つの言葉は正面からぶつかります。

どちらも本人の言葉として残っているところが、この人の言葉を読む面白さになっています。

トレーズ・クシュリナーダが物語中盤に語ったセリフ

モビルドールをめぐって人間の側に立つ言葉と、強者が世界を治めればいいという言葉が、同じまとまりの中に並びます。自分の手で勝ちに行く言い方から、敗者になりたいという言い方へ振れるのもここです。

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君の死にはそれほどの価値がある 死ねば自由だ。さらばだ、ゼクス・マーキス

ゼクス・マーキスをフルネームで呼び、別れを告げました。死に価値があると言い、死ねば自由だと続けています。

送る言葉でありながら、相手の死を価値で測っています。惜しむのではなく、見積もる。

自由をほうびのように差し出す言い方が気になります。同じ相手へ戻ってきてくれと呼びかける言葉も残っていて、この別れが最後の線引きではなかったことが分かります。

モビルドールが優秀であれば、私はこの世に必要ありません この場で優劣を競おうと思っております

モビルドールが優秀なら自分はこの世に必要ない、だからこの場で優劣を競う、と宣言しました。賭けているのは自分の存在そのものです。

敬語のまま、条件を自分に不利な形で置きました。負けたら退くという約束を先に口にしてしまうのは、相当に強い自信か、相当に強い嫌悪のどちらかだと思います。

言葉だけなら強がりにも読めますが、この人は実際に自分で機体に乗り、モビルドールへ挑んだ場面があります。

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モビルスーツで戦うだけが戦争ではないのですよ

モビルドールの起動実験の場で出た言葉で、トレーズは実弾を用い、リーオー単機でモビルドールへ戦いを挑みました。

ツバロフ技師長は、そのリーオーを攻撃目標に設定するよう指示します。オペレーターは戸惑いましたが、同じ命令をトレーズが通信で伝えると、全員が即座に実行しようとしました。

自分を殺そうとした技師たちを撃つよう部下へ命じたあとに出たのが、この一言です。言葉のあと、兵士たちは銃を下しました。

機械と人間のどちらが優れているかを決める場で、彼は勝敗を撃ち合いの外側に置きました。弾のやりとりが終わっても、勝ったのは別のところだと言っています。

戦争の範囲を言葉ひとつで広げ、その場の銃を下げさせてしまう。理屈として強いのではなく、効き方が強い一言です。

※「終わったな。ツバロフ技師長、モビルスーツで戦うだけが戦争ではないのですよ。…我々の勝利だ。命令を解除する。」と、前後まで続けて載せる資料もあります。

モビルドールも兵士も扱うのは人間です もう少し人間を評価し、人間を愛してもらいたいものです

同じ場で、ことが済んだあとにデルマイユたちへ向けた言葉でした。モビルドールも兵士も、扱うのは人間だと言い直したうえで続きます。

人間を評価し、人間を愛してほしい。命令でも脅しでもなく、願いの形になっています。

直前まで自分を撃たせようとしていた相手に、やめろではなくこれを言う。要求の向きが一段ずれているところが、いちばんこの人らしい部分だと思います。

兵器の優劣で始まった話を、兵器を扱う人間の話へ引き戻している。主張の中身より、話を置き直す手際のほうが記憶に残ります。

モビルドールの起動実験の場で起きたこと
場面の流れ起きたこと
トレーズの行動実弾を用い、リーオー単機でモビルドールへ戦いを挑む
ツバロフ技師長の指示そのリーオーを攻撃目標に設定するよう指示する
オペレーターの反応指示に困惑する
トレーズの通信同じ命令を伝えると、全員が即座に実行しようとする
部下への命令自分を殺そうとした技師たちを撃つよう命じる
兵士たちの反応銃を下す
ことが済んだあとデルマイユたちへ向けて言葉を向ける

ゼクス、早く戻ってきてくれ 君がいないとOZは、つまらない人間のくだらぬ行動を許してしまう

名前を呼んで、早く戻ってきてくれと頼んだ言葉です。理由は、君がいないと組織がつまらない人間のくだらぬ行動を許してしまうから。

寂しさではなく組織の質の話として頼んでいます。ただ、ここまで言える相手は多くありません。

「数少ない私の理解者を殺すことなど出来ない」という言葉もあり、理解者の少なさを本人が分かっていたことが見えてきます。

※「ゼクス、はやく戻ってきてくれ。君がいないとOZは、つまらぬ人間のくだらぬ行動を許してしまう…」と書く資料もあります。

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この世から戦いはなくならん ならば常に強者が世界を治めればいい

戦いは消えないという前提から、ならば強者が世界を治めればいいという結論を引きました。

前提の部分だけなら、別の言葉でも繰り返しています。「この世に人類がいる限り、決して戦いがなくなることはない そして戦いを否定することは平和への道ではない」。

前半は現実の確認で、後半でいきなり価値判断に飛びます。しかも、自分が強者であることを前提にしていない形で飛ぶ。誰であれ強ければいい、という投げ方になっています。

人々は強い者に支配されることに喜びすら感じる 世界は戦い続けることが自然なのだ

人々は強い者に支配されることに喜びすら感じる、だから戦い続けるのが世界の自然な姿だ、という見方を示しました。

支配する側の都合ではなく、支配される側の心の動きとして語っているところが引っかかります。

「歴史は日々の積み重ねで作られる 個人の未来などに興味はない」という言葉と並べると、人を一人ずつではなく流れとして見ていたことが分かります。

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私は人間に必要なものは絶対的な勝利ではなく、戦う姿、その姿勢と考えます

人間に必要なのは絶対的な勝利ではなく、戦う姿とその姿勢だと述べました。断定ではなく、考えますという形で差し出しました。

姿勢を持てるのは人間だけなので、結果ではなく姿勢に値打ちを置く考え方は、モビルドールを嫌った理由とまっすぐつながります。

感情を積み上げたものを価値として数えていたことは、こんな言葉からも見えます。「古きよき伝統とは、人間の奥深い感情が築き上げたいたわりの歴史」。

※この言葉を、「古き良き伝統とは人間の奥深い感情が築き上げた労りの歴史。私は戦うことが時に美しいことと考えるとともに命が尊いことを訴えて失われる魂に哀悼の意を表したい。私は人間に必要なものは絶対的な勝利ではなく、戦う姿、その姿勢と考えます。しかし、モビルドールという心なき戦闘兵器の使用を行うロームフェラ財団の築く時代は後の世に恥ずべき文化となりはしないでしょうか。」と長い形で載せる資料もあります。

私は敗者になりたい

デルマイユの問いかけに答えて出た言葉です。モビルドールを推し進める面々へ向けて自分から敗北を告げ、表舞台から去りました。

手前にあったのは、モビルドールでは作れない未来を作る心を、ガンダムのパイロットたちに見たことでした。自分の理念を超える人間がいた、という受け取り方です。

敗者という言葉を、負け惜しみではなく役割として使いました。「戦いにおける勝者は、歴史の中で衰退という終止符を打たなければならず 若き息吹は敗者の中より培われていく」という言葉も残していて、勝者は終わる側、敗者は次を育てる側に置かれています。

強者が世界を治めればいいと言った人が、自分の立場を自分の言葉で敗者に移した。この一言がいちばん効くのは、そこだと思います。

負けを認めることが、相手に未来を渡すための手続きになっています。短いのに取り消しがきかない言い方で、だから一語も削れないまま残っているのでしょう。

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戦うことを忘れ着飾った銃では、たとえ敵の胸板を撃ち抜いたとしても私に感動を与えない。無垢なものは無軌道なのではない、自由なのだ、心が

デルマイユからOZ総帥の解雇を告げられ、幽閉が決まった場面の言葉でした。

戦うことを忘れた飾りの銃では、たとえ相手を撃ち抜いても感動しないと言い、続けて無垢と無軌道を切り離します。無垢なのは心が自由だからだ、という置き直しです。

自分の身が縛られた場面で、語ったのは自由についてだけでした。そこが読みどころだと思います。

同じころの言葉も残っています。「束縛は敗北した者の次なる力の礎となるものだ だが今の私は逆に自由になった気がする」。縛られたことを力の材料として数え直す癖が、ここでも出ています。

物語終盤にトレーズ・クシュリナーダが口にした言葉

戦えと言って生かそうとする言葉と、自分の戦いはもう終わっていると認める言葉が隣り合います。モビルドールとリーブラへの嫌悪、そして数字で返した答えもこのまとまりです。

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戦え…戦って生き延びるのだ 君は…君達はまだ死んではならない

戦えと言いながら、戦って生き延びろ、まだ死んではならないと続けました。言いよどみがそのまま残っています。

命令と願いが一息の中に並んでいる。戦うことと死ぬことを、この人は別のものとして扱っていたと読めます。

死をいとわない姿勢を正しいと言った人の口から出た「死んではならない」なので、重さが変わります。

その戦いに決着はつかないな 君の敵とは運命のことだ

相手が戦っている対象を運命だと言い当て、だから決着はつかないと先に告げました。

相手の敵を自分が定義してしまう言い方で、顔を見て望みを言い当てる物言いと同じ型です。

決着がつかないと言ってしまえるのは、戦いが続くこと自体に値打ちを置いていた人だからだと思います。

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死をいとわない兵士か 私はその姿勢こそが正しい人間の正しい戦い方だと思う

死をいとわない兵士の姿勢を、正しい人間の正しい戦い方だと言いました。正しいという語を二度重ねています。

姿勢に価値を置く考え方の、いちばん危ないところがここに出ます。覚悟が評価の対象になると、死ぬことまで褒める向きになってしまう。

人間を評価し愛してほしいと頼んだ人と同じ口です。この人を好きになる理由と苦手になる理由が、同じ一言の中に入っています。

だが今、君は敵を見失っている。それでは私と同じなのだ 私の戦いも既に終わっている

相手が敵を見失っていると指摘し、それでは自分と同じだと言い、自分の戦いはもう終わっていると認めました。

相手を責めるために、自分を並べて置いています。敵を見失うことを負けの形として数えているのが分かります。

「私の理想など、1人の人間の妄想でしかない」という言葉も残っていて、自分の戦いを小さく見積もる言い方は一度だけではありません。

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名を”エピオン”と付けさせてもらった この機体は戦う敵の姿と、そして自分自身の未来をパイロットにみせてくれる

自分が名付けた機体についての言葉で、戦う敵の姿と自分自身の未来をパイロットに見せてくれる機体だと説明しています。

説明しているのは性能ではありません。乗った人に何が見えるかで機体を語っているところが変わっています。

この機体については、ほかにも言葉が残っています。「私は勝者と敗者に祝福を与えたい これはそれを可能にする機体だ」「ヒイロ・ユイ、1つだけ忠告しておく その機体に乗って勝者となってはならない」「ガンダムエピオンは兵器ではないのだ 君が敗者として帰還することを望む」。

兵器ではないと言い張るところまで含めて、この人の機体の扱い方がよく出ている一群です。

よく覚えておきたまえ、礼節を忘れた戦争は殺戮しか生まないのだ。だから地球で起きたかつての戦争は悲しかった

礼節を忘れた戦争は殺戮しか生まない、と教える形で言い、だから地球で起きたかつての戦争は悲しかったと続けました。

戦争そのものを否定せず、礼節があるかどうかで分けています。過去の戦争への評価も、悪かったではなく悲しかったという言い方です。

礼節を戦争の条件に置く人はそう多くありません。残るのは、言っている内容が正しいからではなく、戦争を測る物差しがこの人だけ違うからだと思います。

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人形と戦うのは味気ないものだな

モビルドールを人形と呼び、戦っても味気ないと言った短い一言です。

理屈や嫌悪ではなく、味気ないという感覚で片づけているところに本音が出ている気がします。

一方で「全てのモビルドールを撃破するまで戦いは続くのだ!全軍、手を緩めるな!」という言葉も残っていて、味気ないと言いながら手は緩めません。

その忌まわしい精神の根源が、このモビルドールというものだ そして延長にあるものが、あのリーブラだ

忌まわしい精神の根源をモビルドールと名指し、その延長にあるものがリーブラだと置いた言葉です。機械ではなく、精神を根源と呼びました。

嫌っていたのは兵器そのものではなく、人間を戦いから外していく考え方のほうだと分かります。

力と心が離れていくことを一貫して問題にしていたことは、こんな言葉と並べると見えてきます。「膨れ上がる力が、これほどまでに人間の心を置き去りにしていくとはな」。

※「その忌わしい精神の根源が、このモビルドールというものだ。そして延長にあるものが、あのリーブラだ…」と書く資料もあります。

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戦争から人間性が失われれば勝利も敗北も悲惨なものとなり 神はどちらにもその手を差し伸べてはくれない

モビルドールをめぐる場面で出た言葉です。戦争から人間性が失われれば勝利も敗北も悲惨になり、神はどちらにも手を差し伸べないと言いました。

勝った側と負けた側を同じ扱いにしているところが、この言葉の肝です。分かれ目は勝敗ではなく、人間性が残っているかどうかに置かれています。

神について残っているのは、「では罰もつくらねばならないか 神は人間がつくった想像の産物なのだ」「神を冒涜する罪悪者として罰を受けるかもしれんな」。信じている相手として扱うより、人間が作ったものとして使っているように読めます。

※「戦争から人間性が失われれば、勝利も敗北も悲惨なものとなる。神は、どちらにもその手を差し伸べてはくれない」と句読点を入れて書く資料もあります。

聞きたいかね?昨日までの時点では9万9822人だ

五飛からの問いかけに、数字で即答しました。

声を荒らげず、昨日までの時点と区切って数を出します。日付で線を引ける言い方に、数え続けていたことがにじんでいる。

この手の問いに言い訳なしで答える人はそういません。自分の立場を数で引き受けてしまう態度が、ここだけ生身で出ています。

もしこの返答が残っていなければ、言葉が立派なだけの人という印象で終わっていたかもしれません。

※数字の書き方は資料によって分かれていて、「聞きたいかね。昨日までの時点では99822人だ」「聞きたいかね? 昨日までの時点で99822人だ」と書く資料もあります。

どんな場面で出た言葉か
セリフどんな場面か
「モビルスーツで戦うだけが戦争ではないのですよ」モビルドールの起動実験で、自ら機体に乗って挑んだ場面
「モビルドールも兵士も扱うのは人間です」同じ場で、ことが済んだあとデルマイユたちへ向けた言葉
「私は敗者になりたい」デルマイユの問いかけに答え、表舞台から去る場面
「戦うことを忘れ着飾った銃では」OZ総帥の解雇を告げられ、幽閉が決まった場面
「聞きたいかね?昨日までの時点では9万9822人だ」五飛からの問いかけに答えた場面

強者が世界を治めればいいと言った人が、なぜ自分を敗者と呼んだのか

ここまでで一番気になったのは、戦い続けて勝てばいいと言った人と、自分は敗者になりたいと言った人が同じだったことです。

モビルドールの起動実験では、実弾を積んだリーオーで単機で挑み、自分を殺そうとした技師たちを撃つよう命じたあとで、扱うのは人間だと言い直しました。そして、モビルドールを推す面々の前では自分から敗北を告げて表舞台から降りています。

私はこれを、勝ち負けの放棄ではなく、勝ち負けの置き場所の付け替えとして受け取りました。

そう読むのは、必要なのは絶対的な勝利ではなく戦う姿勢だと言い、勝者は衰退の終止符を打ち、若い息吹は敗者の中から育つと言っていたからです。この言い方では、敗者は負けた人ではなく、次の人に乗り越えられる役になります。

それでも引っかかるのは、同じ人が死をいとわない姿勢を正しいと言ってしまうところです。人間を評価し愛してほしいと頼んだ口から出ているので、最後まで気持ちよくは飲み込めませんでした。

五飛へ数を即答した場面を読むと、立派な言葉の裏側を自分で数えていた人なのだと思えて、少し落ち着かない気持ちになります。

もし敗者になりたいという一言が残っていなければ、強者が治めればいいと言った人として覚えられていたでしょう。あの一言があるせいで、ほかの言葉まで別の意味に見えてきます。

個人的には、勝ちを捨てた人ではなく、勝ちの定義を自分で書き替えた人だと思っています。本人がそこまで計算していたかは分かりません。

最後に残ったのは、負けを引き受ける言い方をここまで整えた人だった、という一点です。

トレーズ・クシュリナーダの名言・セリフまとめ

トレーズ・クシュリナーダの言葉は、戦いを肯定する側と、人間を評価してほしいと頼む側の両方に寄っています。

モビルドールの起動実験では、実弾を積んだリーオーで単機で挑み、自分を殺そうとした技師たちを撃つよう命じたあとで、扱うのは人間だと言い直しました。

モビルドールを推し進める面々の前では自分から敗北を告げ、表舞台から降りています。そこに残るのは、勝者は衰退の終止符を打つ側、敗者は若い息吹を育てる側、という言い方です。

五飛からの問いかけには、日付で区切った数をそのまま返しました。

強者が治めればいいと言い、自分を敗者と呼び、人間を愛してほしいと頼む。並べると矛盾して見えますが、勝ち負けの結果ではなく戦う姿勢に値打ちを置いた人だった、という一本の筋で読めます。

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